セクハラが違法である事を理解させ、従業員や求職者をセクハラから守り、加害者を作らない為の教育が米国で本格的に始まったのは1990年頃でした。

 しかし、その米国でもセクハラの被害は数しれず、グアムでもメディアで公表されなかったケースも含めると、多数起きています。9月にセクハラのセミナーを開催させて頂きましたが、セクハラのご相談を受けて感じて来た事を書かせて頂きました。まず、セクハラが続いている主な原因をご紹介します。

 (1)セクハラ教育を全従業員に徹底して行っていない
 (2)教育が1〜2時間ほどの大雑把なものである
 (3)一度セクハラの教育を受けさせたら充分だと思い込んでいて、知識が曖昧になる事を考えていない
 (4)管理職用の教育を行っていない為、判断や対応が遅れる
 (5)セクハラ教育を全く行なわず、問題が起きたら弁護士に相談するという方針
 (6)セクハラの知識を悪利用されて訴えられると困るので教育しないという方針、等です。

 セクハラ被害の甚大さは、訴訟による損害や、社会的な不名誉だけではありません。被害を受けた当事者や加害者だけでなく、他の従業員達を精神的に打ちのめし、それまでの信頼を崩壊してしまうのです。会社への不信やショックは、短期間で拭い去ることは出来ません。会社に対して忠誠心を持っていた従業員達は、ひどく裏切られた気持ちになりますし、セクハラ問題が起きるまでは元気よく働いていた社員が、やる気をすっかり失ってしまった例もあります。セクハラ教育は、求職者が安全に雇用され、従業員が安全に働き続ける事が出来、生産性を維持し、信頼を築き、会社が評判を守る為に是非とも必要なものです。

伊藤敏江

Motiva Training & Consulting