2016年9月7日 ホテルニッコウグアムで開催されました、「トップマネージメント座談会 旅行業界編」について、ご紹介いたします。

日本人会 商工部

1、参加各社の紹介と最近の様子

PMT Guam Corporation

JTBグループの海外支店の一つです。グアムの歴史は1973年にJTBグアム支店として設立されました。その後1989年にPMTとなり、グアムでの歴史は43年の歴史になります。業務といたしましては、基本的に日本のJTBから送客されるお客様を現地でハンドリングしており、パッケージツアーや団体ツアーなどを取り扱っております。
系列会社としてはLAMLAMツアーズなどがあります。
スタッフ数は107名でカスタマーサービスの人員が35人とグアムの旅行会社では最多です。

H.I.S. GUAM, INC.

1997年にグアム支店を設立いたしました。来年で20年になります。
主に、日本のHISから送客されるお客様をケアすることを基幹業務としております。パッケージツアーと団体旅行の2本の柱で行っております。
スタッフ数は110名。エアポートサービスが25名、カスタマーサービスが15名程度。
空港が24時間開いているため、エアポートのスタッフは多数となります。

MICRONESIAN HOSPITALITY, INC.

1975年にJALパックと馬場コーポレーションとの合弁で設立されました。JALパックのお客様を送迎する会社として設立されました。 2010年ごろ、JALパックの撤退に伴い旅行部門をそのまま引き継ぎまして、バス会社とオペレーターの2足のわらじで営業をしております。
スタッフ数はMHIで70名ですが、バス会社のグアムサンコーを合わせますとかなりの人数となります。

R&C TOURS GUAM INC

本社は東京にあり、その海外支店のひとつグアム支店です。グアムの歴史は長く、前身の会社が1970年に設立、R&Cツアーズとして1985年設立し昨年で30周年を迎えました。
主にグアムに独自の現地支店を持たない日本の各旅行会社様からグアム現地側でのお客様手配、斡旋を受注する会社として業務しております。企業の社員旅行や報奨旅行、また教育旅行など団体のお客様を中心に取り扱いをしております。
又、弊社が旅行主催となるユニテッド航空やデルタ航空のキャリア(航空会社)ブランドのパッケージツアーの造成、販売をしております。
全スタッフ数は46名、そのうち26名がお客様と直接かかわる斡旋業務を中心としたスタッフとなります。

NIPPON TRAVEL AGENCY MICRONESIA INC.

設立は1973年に日本旅行のハワイ法人のグアム支店として設立されました。
業務内容は主に日本旅行からのお客様のオペレートでスタッフはツアーデスクとグループのコーディネーターをしています。スタッフ数は22人。

HOLIDAY TOURS MICRONESIA(GUAM), INC.

1973年2月1日 近畿日本ツーリスト㈱グアム事務所として設立
1974年4月1日 KIE(Hawaii)Inc. グアム支店に移行
1975年9月1日 KIE(U.S.A)Inc. グアム支店に変更
1993年7月8日 現地法人Micronesia Holiday Tours Inc.としてKIEより独立
2003年1月1日 Holiday Tours Micronesia (Guam) Inc.に名称変更
私がグアムに来たのは3年前で、その後本社サイドの販売の方針変更などが相次ぎ、現在の取り扱い人数は赴任当時の6割程度となっております。基本的には近畿日本ツーリストのグアム支店という位置づけなのですが、取扱人数の4分の1程度は、近畿日本ツーリスト以外からのお客様となっております。
スタッフ数は31名です。

司会:各社設立以来長い歴史があるのですね。

■当社設立の1975年というのは、67年のパンナムのグアム就航、70年のJL就航とグアム観光業が伸び始めた頃でした。それに合わせて日本の各旅行会社もグアム法人を設立し開業いたしました。
当時はハイライズと呼ばれる高層ビルはヒルトンと第一ホテルしかなく、その後にオオクラホテル、そしてトロピカーナが出来て、その後1974年にリーフホテルが出来た。このころがグアムの第一次ホテルブームの始まりでした。

司会:各社とも次第に自社の本社から以外の個人旅行客なども取り扱うようになったのですね。

■業界の全体的な問題でもありますが、パッケージツアーに関して廉価販売、要するに安売りをせざるをえないような状況が長年にわたって続いており、どこかで歯止めをかけないとこの先やっていけないという日本本社の判断によって、特に個人旅行に関して安売りではなくてある程度利益の取れる商品を作って売っていこうという事で旅行代金と商品内容の見直しを行ったところ、近畿ツーリストからの取扱いが減少してしまい、近畿日本ツーリスト以外からの取扱いで補っている状態です。

■近鉄さん(HTM)はあるときにバシッと収益重視という風に方向転換されたのですが、グアムは典型的な安近短のディスティネーションなので、パッケージツアーの価格を安くしたら必ず売れます。いくらでも安くしたら売れますけど、それではどうやって安くしているのかというと、航空料金が安くなっているわけでもなく、ホテル料金が安くなっているわけでもなく、真ん中で作っている旅行会社がお金を投入したりしており、だから、29,800円や39,800円という料金がでてくるのです。これは取扱人数の拡大による仕入条件のメリットを目指して旅行会社が作る廉価商品です。したがって、原価をそのままくみたてた金額では29,800円とか39,800円はありえない金額です。そのクラスのツアーでは、人はたくさん集めることはできますが、ツアー自体の収支は赤字です。以前はその赤字を航空会社からの販促金など別の形で取り戻せたのですが、なかなかそれが取り戻せる時代でなくなってきた。そこで、業界全体が収益確保の方向転換をしてきている時代であります。

2、グアムの観光マーケットの現状①(増加する来島者数と日本マーケット)

司会:この2~3年は毎年のようにグアム来島者数は増えていますね。

■去年2015年の日本人の来島者数は77万人3000人です。日本人以外も含めると140万900人です。
日本人は全体の55%で、以前は8割~9割を占めていたのが55%まで下がってきている。

司会:日本人旅行者の売上総額はいくらぐらいになるのでしょうか?

■金額では表しにくいのです。なぜなら航空運賃を含めて販売しているのは日本側なので、
現地の売り上げという概念はありません。

観光業全体としては、140万人というのはグアムの観光史上最大の数字で、グアム島の観光自体は大きく伸びています。今、GVB(グアム政府観光局)はツーリズム2020年プランというものを立てていて、2020年には200万人を目指しています。(これは中国人のビザ緩和の可否で変動するとは思いますが。)来島者数はこれまで順調に伸びてきており、2020年には中国のビザウェーバーが取れるという前提で、200万にもっていきたいという方向に動いています。
グアムにおいて観光産業は最大の産業で、グアムの地に14億ドルの収入をもたらせております。尚且つ、観光産業はすそ野が広い産業と言われており、ツアーオペレーターだけではなく、運輸業、宿泊業、飲食業など多岐の分野に渡っております。観光業は1万8000人の島民に雇用を提供しています。これらの数字は、収入はグアムの年間事業収入の60%、雇用者数は島内の連邦政府以外の職場で働く人口の30%に当たります。グアムでは観光業が最大の産業と位置づけられています。

■2020年には200万と言われており、その内マーケットシェアーで6割程度が日本人になる予定なのですが、ここ3~4年の日本人マーケットは伸び悩んでいる傾向にあります。
新規ホテル建設など適正な投資が行われなければ旅行者数も増えないのですが、それらの投資が行われるという前提で、2020年には200万人になるという予想です。それも中国からのビザウェーバーが実現されて、中国からのお客様が20万や30万になりますが、その時に日本からの旅行客が全体の60%であってほしい。健全に成長するには日本のマーケットもある程度の規模を維持しながら成長してもらわなければなりません。

■2020年に中国のビザウェーバーがあって200万人、なかったとしたら175万人。その目標をたてたのが2014年なのですが、2020年プランでは日本マーケットは105万人という、さほど大きな目標数値ではないと言えます。実は2012年に92万9000人と、すでに100万近くまで達しています。2013年は100万人の目標を立てたほどだったのですが、残念ながら2013年から13,14,15と3年連続で減少を続けているのが現状で、2012年の92万7千人から2015年は77万人まで減少しました。13、14,15年と日本側の出国者数自体が減少しています。ただ今年2016年は日本の出国者数が、少しリバウンドして増えています。7月は対前年比4%程度伸びるなど、2016年に関しては5月を除き、他はすべて前年対比プラスとなり、ようやく日本の出国者数の減少が底を打ちましたので、円安問題が大きく絡んでくるとは思いますが、この先は我々がグアムへの誘致に努力をしなければならないと考えております。

■さらに驚いたのは、2016年8月の日本人来島者数に対前年比7%の伸びがあったのですが、そのうちFIT(旅行会社を介さない個人旅行者)が38%以上だったのです。
■日本のお客様もそういう見えないところでは伸びている。

司会:FITとは?

■FITとは旅行会社を介さず、自身で旅行手配をする個人旅行者です。実はこのグアムは他に比べて特殊な旅行先で、パッケージ旅行客の割合が7割に上るというディスティネーションは珍しいのです。あとは団体があるので、合計約8割は旅行会社経由なのですが、それ以外の旅行者の方を、FIT(フリーインディビジュアルトラベラー)という自由旅行者、個人旅行者と呼び、これまでは10%~15%程度と言われていたのですが、去年から20%に増え、今年8月にはついに3割を超える見込みです。速報通知で私たちは驚きました。

司会:それはインターネットを活用しての申し込みなのですか?

■それはOTA(Online Travel Agent)と呼ばれるインターネット経由であることは間違いありません。

■従来は旅行会社の旅行会社のカウンターに行って申し込まなければならなかったことが、オンラインで何でも買える時代になったことが大きく影響していますね。

■先ほどもあったように、これまでは旅行会社が資金をつぎ込んで安いパッケージツアーを造成していたのですが、インターネットのなどの影響でそれらの造成が難しくなってきています。旅行客が自分でインターネットで安いホテルなどを探すことが出来るので、パッケージツアーと料金差が出せなくなってきているのです。

■しかし、そこでお客様に理解していただきたいのは、旅行会社が提供するパッケージツアーがお客様にとって最も安心、安全であるということです。何かトラブルが発生した時にどうするか、個人旅行者は全て自分で対処しなければなりません。仮に飛行機が欠航となった場合などは個人の旅行者は自分で航空会社のカウンターに出向いて英語で代替便交渉等をしなければならないのですが、旅行会社のパッケージツアーのお客さまに関しては、われわれ旅行会社がそれらを全て代行します。他にも海外旅行では頻繁に起きうる様々なイレギュラーにもすべて旅行会社が対応するのです。そこが一番大きなちがいです。
たとえば以前911のテロで空港が何日間も閉鎖された時には、その間に滞在するホテルの手配や代替帰国便の手配など様々な対応も旅行会社がしました。その時も個人で来られたお客様は、行き場がなくなって、街中を重いスーツケースを引いて右往左往することになりました。そういうケースもあります。
そういう意味では旅行会社を通した方が、一番安心安全だと言えます。

■旅行会社が主催する主催旅行というのは、「旅程管理義務」というのが発生するので、我々はお客様が出発してから無事に帰国するまで、旅程を管理する義務があるのです。何処かで飛行機が飛ばないなどのトラブルがあっても、それをどうにかやりくりしてご帰国いただくというお世話をするのが我々の仕事なので、それが個人旅行となると、個人で情報をどこからか探してきて、自分で航空会社と自家談判して、というようなことをしなくてはならないのです。

■間違った情報が日本で広がって、旅行会社のパッケージツアーは高いというようなイメージがあるのですが、旅行会社は多量に飛行機の席やホテルの部屋、バスの送迎などを仕入れているので、実際にはバラバラで買うよりは、パッケージツアーの方がお得なのです。しかし、インターネットなどで膨大な情報が飛び交ってくると、誤解を招く情報まで出回ってくるのです。

■グアムはまさに安近短のディスティネーションなので、リピーターが増えています。様々な統計があるのですが、少なくとも来島者の5割以上は2回目以上と見られています。グアムは小さな島なので、2回目以降は自分達だけで行けるという自信が持てる。イコールリピーターが増えているという事はFIT化が進む傾向にあるのだと思います。また、航空会社のマイレージで飛行機を予約して、あとはホテルだけ自分で手配すれば良いだけの方等様々な旅行者がいると思います。

■ハワイなどはすでにそういうお客様が多いのだと思います。

■例えばアメリカのメインランドでは、旅行会社を経由され渡米される日本人は3割程度でしかありません。あとの7割はFITでの渡米です。その中にはビジネスなどで来られる方も多いのでその様な数字になるのですが、グアムのパッケージツアーの7割弱という割合は、それでもほかの地域からすると非常に多い方だという事が言えます。

3、グアム観光マーケットの現状②(韓国マーケットの台頭)

司会:現在、韓国人旅行者が相当伸びているようですが?

■確かに伸びています。現在韓国から航空会社が5社乗り入れています。そのうち大韓航空を除いて、4社(チェジュエアー、プサン航空、ティウェイズ、ジンエアー)のLCC(ローコストキャリア、格安航空会社)がグアムに運航しています。先日、プサンまで行くのに7000円ぐらいもあると聞きました。とにかく安い、それがLCCの金額なのです。ひと昔前は韓国からの旅行者は多くが新婚旅行でしたが、韓国マーケットにとってグアムは今や子連れで気軽に来られるような観光地となりました。
実は同じ現象が日本国内でも起きており、沖縄の空港にLCCターミナルが出来て一気に観光客が増えています。
それに対し、日本マーケットは日本航空、デルタ航空などが一部撤退したり、減便するなどして、ユナイテッド航空がシェアの50%以上を持っています、シェアが5割~6割あれば航空料金をコントロールできますので、日本マーケットは安売りせず、高い料金帯を保とうとしているのですが、そこにLCCが参入すると一気にマーケット価格が崩れる恐れもあります。
韓国からの旅行者は一気に増加し、2015年は42万7000人を記録し、今年は50万人を超えるといわれています。

司会:それはすごい勢いですね。その要因で一番影響が大きいのがLCCですね。

■韓国の旅行会社は独特のシステムで、以前は到着したら現地ガイドが自ら運転するバンで空港送迎や観光に連れて回るというような、囲い込み型のハンドリングスタイルでした。ところがLCCが就航してから一気にFIT化し、今は韓国からの旅行者の5割がFITと言われています。現在はLCCが到着したらタクシーやレンタカーの前に列ができます。レンタカーのトレンドについて興味深いことは日産キューブが人気だったらしいのですが、今はFIATかMINIが人気だそうです。

■韓国人は海外志向が強いと言われ、日本に比べると出国率が高いのです。

■去年日本は出国数1620万人、韓国は1800万ぐらい出国している。人口比率からすると日本の倍以上が海外に出ているわけです。

■先日GVBでJTB総研の方から伺いましたが、日本の場合は所得の一番低い層は海外旅行には行かないそうです。その一つ上の層も比率が非常に低い状態だそうですが、韓国の場合は一番低い層も海外旅行に行くような国民性だそうです。借金をしてでも海外旅行に出かける。それぞれの所得層がまんべんなく海外旅行に行くパーセンテージは変わらないというような状況だそうです。

司会:航空便の客席供給量が増えればホテル客室数とのバランスも必要ではないですか?

■当然お客様が多いところには投資は向かいます。どちらが先かという事もありますが、現在ニッコーホテルの隣にはホテルが新築中ですし、グアムには投資の話はたくさんあります。ただ現状では200万人は受け入れられませんが、2020年を目標にみなさん着々と準備をしています。その影響で入島者数も着々と増えているという事です。
しかし、韓国の方たちはホテルだけに泊まっていないようです。いわゆる民泊で、民泊施設が島内には100件以上あるそうです。

■民泊はまだアンダーグラウンドビジネスですが、グアムの議会が法改正をして該当施設に適切な申請をするよう呼びかけています。グアムの観光業の発展には必要なことで、ホテルと同じような宿泊税をきちんと納めてもらい、合法の元で発展させていこうという動きです。しかし、現状は税務当局でも現状を把握できていません。事件や事故が起きてからでは遅いので、業界で規制しようという事で法案が作られました。
特にLCCで来られた多くのお客様が空港でレンタカーを借りて、いわゆる民泊施設に宿泊するケースが多いということなのです。通常の観光では訪れないようなところで、旅行者らしい人を見かけたり、ローカルのスーパーで住民ではない感じの方が買い物をしている姿が見られるようになりました。

司会:何か特別に伸びる要素があるという事ですね。その方たちにとっては7000円の安いチケットでグアムにきて20,000円のホテルに泊まるのでは意味がないと言う訳ですね。

■そのようです。一泊$30/室位で宿泊出来るとの事です。

4、グアム国際空港のサービスの充実

司会:空港の入国審査が大変混むというお話ですが、それについては改善されないのでしょうか?

■あれは旅客にとって大きなストレスですよね。空港自体の改装計画はあることはあるのです。その為に債権を売って大きな貯蓄はあるようです。2年ほど前に業界発表があったのですが、いまだ進展はありません。

■もっと空港の階数を増やして、到着と出発のお客様を分けるという計画だけはあるとの事です。又、到着バスターミナルの整備も改善の計画はありますが、進んでいません。
到着ロビーも混雑しているので、外部へ続く通路を広げてエアコンを効かせてデスクを設ける。空港はそのように言うのですが、まだ何も変わらないのが現状です。こちらからもいろんな提案をしているのですが、空港の動きはないです。

■イミグレーション(入国管理)だけは話が別で、イミグレーションはグアム政府の管轄ではなく、ワシントンDCの管轄になりますので、JGTA(日本グアム旅行業協会)も資金を出すから人員を増やしてほしいとお願いしたのですが、アメリカ政府の管轄になるのでそこがまた大きな壁ですよね。

■GVBの一部予算を投入して、アンバサダークラブと称して空港で入国審査が少しでもスムーズになるように書類に記入漏れがないかとかお客様のご案内などのお手伝いをしています。それと移民局と話をして一時無くなっていたESTA(ビザ免除プログラム)専用レーンをまた作ってほしいと要望し、現在は復活しました。しかし今後の様子を見て利用者があまりいなかったら、また無くしてしまおうという話もあったのですが、今のところは一定の利用者がいるのでESTAレーンは継続されています。お客様も3時間半のフライトでグアムに到着した後、入国審査で2時間待たされてはかわいそうなので、ESTAを取ってきた方が入国審査も短くていいですよとは皆さんにご案内しているのですが、日本側ではなかなか浸透していません。

■先日40人ほどの団体様がいらして、半分の方はESTAを取得されていました。ESTAを持っていた方はすぐに出てきたのですが、半分の方はなかなか出ることができず、結局2時間以上待ちました。エスタを持っていた方たちは1時間かからずに通過されました。

■私どものVIPのお客様でESTAを持っていた方がいらっしゃったのですが、アンバサダーが普通のところに並ばせてしまって、結局ESTAを持っているのもかかわらず、2時間以上も並ばされてしまったという事もありました。

■ESTAの方はこちらという表示もあるのですが、気が付かなかったのでしょうね。
 
■アンバサダーの方もいるときといないときがありますので、そのようなことも発生しますね。アンバサダー自体は増員しているとの事ですが。

■当社もお客様にESTAを取得を奨励しているのですが、なかなか浸透するのに時間がかかっています。申請料が$14かかるので、無料だったらもっと急速に広がると思うのですが。日本人旅行者の場合は家族5人でESTAを取ると$70かかるので取らなくても入国はできるからと思って、来てみたらこんなに待つの!?という状態なのです。その辺の事前をもっとPRすることなどにお金を使ったほうがいいのではないかと思います。グアムの印象をよくするという意味でも。

■我々もいろんな要望を出しています。その中でグアムサイパンのビザウェーバープログラムを電子認証化していきましょうというお願いもしています。簡単にできるように書類の記入をいらなくしようという事もやっています。

■日本の空港では外国人が入る際に平均待ち時間が関空で40分、成田で27分だそうです。

一同:グアムに比べてはるかにはやいですね。

■グアム空港に到着して開口一番に二度と来ないと言われたこともあります。
  やっと出てきてもう帰りたいと言われたらがっかりですよ。

司会:これを何とかしない限りはちょっと不安ですよね。グアム観光業の将来的は・・・

■本当に問題ですよね。グアムの入り口がそんな感じだとマイナスのイメージからグアムに来ることになりますからね。逆にその分我々は現地対応で何とか盛り返そうと思って動き始めるというような感じなんですよ。

司会:以前より待ち時間は相当長くなったという事ですか?

■テロがあった年の9月11日以降から長くなりましたね。あとはLCCが入ってきてからさらに長くなったとも言えます。一番混みあう時間帯にLCCが数機、到着しています。
傾向としてLCCで来た方たちはほぼ100%エスタを取っていないとの事、だから混んでしまうのでは。

■LCCをあんな良い時間帯に飛ばすこと自体間違っていると思います。
 最近は時間をずらして入ってきていますけど。

■ただ、日本からきちんとした値段を払ってきている飛行機とランディングフィー等を抑えて激安で来ている飛行機となぜ好条件の同じ時間帯に飛ばすのか?というのは疑問です。

■韓国のFITは7000円のLCCで来て、レンタカーで空港を出て、アンダーグラウンドの民泊施設へ流れていきますが、旅行会社を使ってレガシーキャリア(LCC以外の既存航空会社)を利用する客層は、通常の航空代金で、空港を出るときには5ドル払って、ホテルに着けばまた11%のタックスを払って、もう、待つは払うではたまりませんね。

5、グアム観光産業の明るい未来

司会:これからもグアムが継続して発展し続けるためには何か新しい仕組みが必要では。

■グアム観光局としては、消費額の多い日本人旅行客にもっとたくさん来てほしいと思っているのですが、それには日本のマーケットがもっと活発に機能していかなくてはならない。現在は期待どおりの動きになっていないというところもあり、日本マーケットに対しもっと積極的に販促費用を使って呼び込みをするという動きになって来ています。

■安近短の近短は変わらないものですが、金額を安価から高価に変えたいという要望があります。ホテルも高級なホテルを誘致したいとの事で、それを「プレミアグアム」と謳って、高級なマーケットを開発したいというのが大きな流れになっております。それは間違いではないと思います。

■今年オープンしたデュシタニも高級路線ですし、現在建設中の仮称ツバキホテルなども5スターの高級ホテルにする予定です。

司会:グアム島が観光地としての魅力に欠けているところは特にありますか?

■ビーチリゾートとしては素晴らしいですが、実はグアムと競合するのはハワイではなくて沖縄なのです。要因はプライスレンジや滞在日数などの面においてなのですが。数年前までは競合していたのですが、今は沖縄がLCCなどの影響で大きく伸びてしまったので、今は競合ではなくなってしまいました。グアム島のハワイとか沖縄との違いは、その島に文化があるがどうかというのが大きな違いなのですが、今グアムはチャモロ文化をもっと広めようという事で、GVBもそれは気づいており、様々は場でチャモロ文化を紹介するようにしています。イベントツーリズムも非常に重要で、グアムインターナショナルマラソンなどのイベントを行っているのですが、一度開催したイベントを定着させていくことも重要なのです。

■あとはもっと自分たちの足元を見ていく必要もあると思います。グアムは日本から近いですしアメリカだし自然もあふれているので、本来大いに売れると思うのです。しかし、他にやらなければならないことがたくさんあると思います。例えば空港ですが、グアム空港というのは、2001年のテロ以降、到着された方と出発される方が間仕切り一枚で交差する古いタイプの空港なのです。それが15年たっても何も変わっていません。それと、バスパーキングのところの雨よけが全く足りていない。ずっと提案しているのですが修正されない。街並みに関してもバスツアーに出かけ、高い視点で見るといたるところゴミだらけのところがあったり、島内観光に回っても公園のトイレが午後になると閉まってしまう、ところによっては朝早くても閉まっていたりします。本来ホテル宿泊税の11%はお客様の誘致と、環境整備に使われるべきものなのですが、それが十分に機能していない。
ここ最近はかなり税収が上がったようですが、それを議会が管理しているのですが、観光業は議員にとって選挙の票にならないので、それは残念ながら自分が利益になるところに増えたお金を使ってしまうのです。その税収がもっと有意義に使われたらもっとお客様を誘致することが出来るのではないかと思うのです。

■ツーリストは泊まって食べてただそのお店に料金を落とすだけではなく、宿泊税として11%の直接税を払っているのです。これは政府にとって非常に大きな収入です。空港でバスに乗るだけでも駐車場使用料として一人$5が徴収されます。日本人が100万人来たとしたら、$5ミリオンを空港公団は得ている。それなのに屋根ひとつつけてくれない。

■要望は出しているのですが、なかなか改善されません。
この間もフェスティバルオブパシフィックアーツという環太平洋地域で4年に1度の大きな催し物があったのですが、十分な告知がされずほとんどの旅行者は何も知らなかったし、知っていてもどうやってそこに行くかがわからない状況でした。日本人のお客さんに限らず、周囲の島民もそのために準備したバスが利用されていない。
あれはもったいなかったですね。

司会:この島の周囲のアイランドツアーというのはあまり積極的に組んでないのですか?

■チューク等ですね。スキューバダイビングを目的に行かれる方はいらっしゃるんですけど、宿泊施設のランク等の問題もあるので、一般のパッケージツアーとして組むのはなかなか難しいですよね。今のところは。
でもパラオなどはダイビングで有名になりましたけど少しずつ観光でも伸びてきていますよね。サイパンは日本人マーケットは伸びないですね。

司会:周囲のアイランドカルチャーをグアムツアーと組み合わせてできるといいですね。

■そうですよね。ミクロネシア地区をバックにグアムをハブとしてみんなが行けるようになれば広がっていきますよね。点から面に。

■結局グアム島内だけだと限界があって、人が増えればホテルも建って街の雰囲気は変わるのですが、15年前と行くところは変わらないというような評価があります。それでは、新しい何かを作ればいいという方策あると思うのですが、そこまで新しい投資をして人を呼ぶということはすぐには難しいと思いますので、今あるものをうまく組み合わせて、アイランドホッピングするとか、まずグアムに来ていただき、そこから先に他の島へ発展して行ければいいと思います。 また、数年行かないうちに何か新しいものが出来ていますよという環境があればもう一度行ってみようかなとなります。ハワイや沖縄にはそれがありますが、グアムは新しいものがなかなか出来ないので、どうしてもグアムには一回行けば十分で、いろいろ見ても以前と変化がにない田舎だからというようなイメージが初めて来島する観光客に口コミで広がっています。そういうところを変えていく必要があると思います。

■日本ですと巨大なショッピングモールが出来たり、巨大な水族館が出来たりとかがありますし、ハワイにしてもグアムに比べれば、アメリカから流行の店が出来るとか、ワイキキでも再開発が行われて、前に行った時と全く違うよう街並みに変わったからもう一回行ってみようかという気になるのですね。
グアムもホテルが新しくなったとか、それで来ていただけるお客さんもいるのですが、それ以外の部分で前回来た時と違う何かがあるのかという事を求める部分がやはり弱いと感じます。

■グアムの観光業は将来も明るい産業だと言えます。それとグアム島のローカルの人達にとっても、ハイスクールを出て島を離れメインランドの大学を卒業し現地の会社に就職する人も多いですが、地元に将来にわたり発展する明るい産業があるということは、大学を卒業しても又、島に帰ってこられるということですからとても幸福なことだと認識しております。


司会:それでは、予定のお時間も過ぎましたのでこれにて座談会を終了とさせていただきます。
皆様には活発な意見交換をいただきまして、誠にありがとうございました。