日本人会商工部の取り組みとして始めておりますトップマネージメント座談会でございますが今回はダイビング業界編としてグアムで活躍されているダイブショップの皆様にお話をお伺いさせていただきました。貴重な経験談やアドバイスなど盛りだくさんの内容になっております。今回はラッテ紙面にて一部をご紹介させていただきます。全文はこちらの日本人会ホームページをご参照ください。

[参加者]
Mr. Brian McDermott [Rainbow Marine Sports]
Mr. Hiroyuki Oka [AQUA Academy]
Ms. Yukiko Gulick [Let’s Dive Guam]
Mr. Go NAKANE [GO Dive Guam]

[司会、進行]
渡邉大輔 日本人会商工部部長
中根 豪 日本人会商工部副部長


[日本人会ホームページに掲載の全文内容]
海中の環境が昔に比べて変ったと感じられること
これからの環境に対して
海の中で目撃するプラスチックについて
以前に比べて客層、客数についてどのように変化したか
ダイビング業界としてこれからどのように日本へアプローチするか

司会:海中の環境が昔に比べて変ったと感じられることは

A:最近一番感じているのは気温(水温)が上がっている。常に28度、今年になってからは海の中が29度になっている。29度になるとある生物には悪い影響がある。それは英語でwhiteningと言ってサンゴが駄目になる。よく言われている白化現象です。特に枝サンゴが痛んでくる。私たちが潜っているところでもかなりの範囲でダメージがある。復活することもできるが今の状態では難しい。

B:ブルーホール、クレバンスなどの外洋性のハナヤサイサンゴが特に白くなっている。

司会:サンゴが減っているのはグアムでも感じられますか?

B:減っている確実に減っている。けれどウェスタンショー、コーラルガーデンとかの場所によっては未だに凄く元気です。唯ここ1、2年で急にダスキーアネモネフィッシュが消えてしまった。更にイソギンチャクが小さくなったと感じる。

C:去年は気温が高く、イソギンチャクの中にいる褐虫藻が病気で消えてしまった。通常のイソギンチャク色から真っ白から先がピンク色に変化してしまった。今まで見ない色に変化した。

B:イソギンチャクもサンゴと同じ褐虫藻を持っているため水温上昇によってサンゴから抜けてしまっている。ダスキーアネモネフィッシュはミクロネシアの固有種であったためにいなくなってしまったことは本当に深刻である。

C:ダイビング場所を間違えたかと思うほどいなくなってしまった。

A:イソギンチャクがいないとダスキーアネモネフィッシュは生きていけないです。
前はテーブルぐらいの大きさのイソギンチャクを見ることができ沢山のダスキーアネモネフィッシュを見ることができた。私のダイビングショップではその場所をニモ村と呼んでいました。今はいません。

B:ここ最近はそんな変化が急激に感じられます。特に2、3年前より。

司会:それでは20年前の海と比べるといかがです?

D:やはり20年前の海と現在の海を比較するとサンゴですね。今の海はサンゴがある気がしない。地形的に起伏があるところは山があり、谷があり気がつきにくいが平らの所を潜るとサンゴの減少はよくわかります。サンゴに関しては年々減っていったがイソギンチャクに関しては急激に減った。

B:要因としては気候の変動が大きく台風がこなくなり下から冷たい海水が上がってこなくなった。台風の発生場所が変化している。水が冷たくならなくなった。

C: 以前は5年に一度ぐらいの周期で台風がグアム沖で発生していましたがホンソナ以降大きい台風がないです。グアムで生活をしている以上は大きな台風がグアムへ近づくことは勿論避けてほしいが生態系を考えると海水を掻き混ぜてくれるのは台風ぐらいでそれにより水温が安定していたと思う。私たちも今は潜っていてウエットスーツを着ていたら暑いです。

司会:環境の変化は海の中も大きいようですね。

A:嬉しい話は海亀の数は増えている。私たちがグアムでダイビングを始めた30年ぐらい前は海亀を目撃することは珍しいことでした。今は逆に海に潜ると海亀を見ないことが珍しくなっています。カメの数は着実に増えております。

C:グアム大学などはリサーチしている。海亀が甲羅に器具を付けているのを目撃したことがあります。

B:昔はよく見た魚で現在は見られない魚が結構いる。例えばナポレオンフィッシュ、カンムリブダイなどは一匹も目撃することができなくなった。

司会:魚の種類も環境によって変わってしまったのですね?

D:いえ、大型の魚が減少したのは人間が捕獲したことが要因です。

C:スピアーフィッシングなどですね。

A.イソギンチャクやダスキーアネモネフィッシュは環境の影響ですが大型の魚が減少したのは人間が原因です。

D:魚を売って生活をする人だけでなく、趣味で道具を揃えスペアーフィッシングをする方が禁漁地域で増えたように思います。

B:人間のモラルの変化も海の中の環境に影響を与えていますね。

司会:これからの環境に対してどのように考えられますか?

D. 地球の治癒力に任すほかない。ある地域ではサンゴの移植をしたり、サンゴの天敵である鬼ヒトデの駆除をやっているが自然に手を加えることには疑問を感じます。治癒力に任すしかなく鬼ヒトデが増えることもやはり何かしらの意味があることではと考えます。人間ができることにも限界がある。

B:人の寿命は何十年ですが地球の寿命の中で今は治癒するプロセスに人間が早急に何かをできるのかは疑問です。しかしながら何か小さなことですがビーチクリーン、プラスチック問題などには取り組めます。

司会:海の中で目撃するプラスチックは増えましたか?

C:気がつけば回収します。プラスチックバックなどはクラゲと間違えて海亀などに誤食されてしまいます。

A:グアムでプラスチックが増えているとは思いませんが自分たちで意識し始めて気をつけております。

D:ダイバーは海の中に入り様子を伺えますのでプラスチックなどの環境汚染には気をつけると思います。

B:私たちダイバーができることは少数の人にでも現状を伝えることで、引き続き発言を続けることが必要と考えております。

A: もう一つグアムの海で良い方向になっていることはタモン湾です。グアム政府によって禁漁区に指定されたことで年々魚種が増えてきています。サメ、エイなども戻ってきている。タモン湾と他の禁漁区の違いは沢山の人が政府の禁漁区にしたことを支持しており違反者を見つけると直ぐに通報していることですね。 

B:禁漁区に指定されたのはここ10年ぐらい前からです。

B:タモン湾には浅いところにもマンタが入っていた。グアムで一番マンタがいる場所です。

D:満月の満潮時に朝一番であれば見られる確率は高いですよ。フィエスタの前あたりは良く見えます。

B:そういえば昔はサザエがその場所でよく採れました。

司会:ダイバーさんの仕事について初めて知ったのがパラオでした。朝からダイビングをされた後にもお客様と一緒に食事をしたりと船を降りてからの仕事も多く大変な仕事だと感じておりました。

D.パラオ、沖縄、サイパンのダイビングショップはその傾向にありますね。労働時間は長いと思います。

司会:今現在でどのくらいのダイビングショップがグアムにありますか?

D:だいぶ減ったと思いますが10社ぐらいだと思います。

司会:以前に比べて客層、客数についてどのように変化したか教えてください。

C:お客様の年齢層は上がりました。以前は60歳となると御年輩と感じましたが今ではアクティブに過ごされている方が多く70歳ぐらいの方が普通に潜られています。皆様、健康の為に潜られている方が多いです。逆に若い方もおられますが体力的に昔に比べると疲れやすくなっているように感じます。

A:仕事を引退して新しいことに挑戦したい方、子供たちも成長し孫たちも大きくなって二人で新しいことを始めたいと考える方々がダイビングに挑戦することが多いようです。他には若いころにダイビングをしていて子育てが終了し落ち着いてから以前の趣味であったダイビングを再開することもよくあります。ダイビング業界的には新規の若年層の参入が少なく困っております。

D:日本の状況と同じです。若い人が車を買わなかったり、飲みに行かなかったり、海外に行かなかったりするのと一緒でダイビングにも行かないです。日本でのダイビング人口も高齢化しているはずです。同じ流れが今のグアムです。

B:20年前の状況は20歳代、30歳代が中心でした。

D:常にお客様の年代と自身の年代が同じです。いつになれば差がつくのかと考えます。
お客さんの年齢層も心配ですが正直一番心配なのはグアムのインストラクターの高齢化も心配です。新規のインストラクターで一番難しいことはビザの問題ですね。

B:昔は若かったです。みんな。

A:若い人はインターネットが主流で体力を使うことが嫌になっている気がします。水が目や耳、鼻に入り痛くなることをやりたがらないです。ダイビングだけでなく色んなスポーツも恐らく同じ状況で競技者は減っている傾向ではと思います。

司会:グアムのイメージについて

B:グアムのイメージは安いイメージがあったので現在の料金設定が高いように感じられる。グアムの良いところは安近短であったと思う。

D:修学旅行に関しましてもその場をリサーチして文化や自然に触れることが少なくなっている。更にグアムの素晴らしい海に入ることも少なくなっているのではと感じます。シュノ―ケリングなど危険は伴うことではございますが少し寂しいです。

A:グアムについて私たちの年代の人と日本で話をすると「良いところですね?行ったことあります」 しかし20代の人にグアムについて聞くと「グアム?何処ですか?」との回答になってしまう。ハワイはみんな知っているのに。これが現状です。

C:各地方都市(千歳、仙台など)からの直行便が減ったことや夜中便が欲しいですね。以前は日本で仕事が終わり夜中に出発して朝到着してそのまま潜っている方がよくいましたね。

司会:ダイビング業界としてこれからどのように日本へアプローチするか?

D:ダイビングのお客さんを増やすためにはパラオのように朝から晩まで潜っていない時間もお客様と接することです。同じポイントに10回以上行くと誰でも飽きてきます。潜ること以外にも接客をすることでお客様のリピートしていただく。
グアムの以前は朝のお客様、午後のお客様が引っ切り無しに来られていて忙しくて時間がなかった。お客さまもダイビングショップが忙しいことを理解していただいておりました。しかし今からはその様な時代ではなくなってきたのではと感じております。
今はまだ始めていませんが今後は検討しないといけないと感じています。

D:先程の安近短と同じく夏は伊豆などの民宿に泊まりで行くとするとグアムは民宿に2回ぐらい行くぐらいの料金で来られる。その魅力をうまく発信することなど新しいことも考えないといけないのではと感じます。

B:何か新しいこともしないといけない。

A:初日ダイビング、2日目はスカイダイビングなど違うアクティビティを含めて行くべき。ダイビングポイントは増やせないので違う楽しみを増やしていきたい。

D:ダイビング業界であればダイビングに落として欲しい。乗り合いのボートの場合、ポイントが決まらないなど制限が多すぎます。さらに軍の方で射撃訓練など制限がある。
 全てのダイビング会社でボートを買うことは難しいが出航時間をカスタマイズするなど
細かいお客様のニーズに合わせていくことが必要ではと考えます。

司会:この度はご協力ありがとうございました。