去る11月5日(土)ハガニャの大聖堂で日系人一世の栄誉を称え、追悼と慰霊を行うミサが厳かに行われました。

 1900年初頭には、ココナツ王として知られる故ホセ・カツギ清水氏(現在のAmbros Inc.、1948年創立の前身)によって設立されたコプラ農園に群馬、茨城、栃木などの農村部から集められた日本人一世が働いていました。その多くはグアムを永住の地とし、やがてチャモロの女性と結婚し家族を増やしていきました。グアムで生まれた子供たちは二世として知られるようになり、やがて、ビジネス、政府、政治、社会の先駆者として活躍していきます。太平洋戦争が始まると、一世の多くはグアムを占領した日本軍の統治と、また、日本軍とグアム解放を迫るアメリカ海兵隊との板挟みになり数々の辛い経験をしました。終戦後、チャモロ住民の日系人に対する憎しみの感情が残っており、日系人家族の中には戦中・戦争直後に死亡した一世、二世の為に、表立って栄誉を称えたり、正式な葬儀を行うことを控えてきました。そうした家族の中には、未だに亡くなった先祖に対する中途半端な蟠りの気持ちを持ち続けている人も多くいたのです。

 そこで、グアム日系人会では先祖への追悼と慰霊を込めて、また、戦後やりたいと思いつつも今日まで果たせなかった積年の思いに終止符を打つためにも今回のミサが設けられました。日系の人達が戦後これまで待ち続けてきたモヤモヤを解き放つ機会がやっと訪れたのです。教会のミサには50人程の日系人の他, 浦林総領事も参列され細やかながらも荘厳に執り行われました。式では、現在判明している一世の名前が一人ずつ読上げられ、それと同じ数のキャンドルが祭壇に捧げられました。式の後、参列者は晴々とした表情で写真に納まっていました。    

 グアム日系人会(Guam Nikkei Association – GNA) は、2007年後半にグアムの日系人有力者が集まり朝食のミーティングを不定期に行っていましたが、非営利団体として登録しておらず活動も長続きしないまま休眠状態が続いていました。その様な状態の時に、2012年に赴任された清水久継総領事が過去に活動していたコアグループに働きかけ、10月には正式な非営利団体として登録されました。

 現在、グアム日系人会は9人の理事で運営されており、日系人間の親睦、日系人の記録の保存・紹介、日本のルーツを探す手助け、ケンダマ大会や灯籠流し等の行事を通しての地域交流、まだ世界で開かれている数々の日系人大会への積極的な参加を通じての交流等を行っています。現在の日系人は三世、四世の時代となっていますが、会では若者の参加を模索しているほか、グアム在住の日本人の参加も望んでいます。会員資格は18位歳以上でグアム在住であること、年会費は50ドルとなっています。なお、定例理事会は毎月第2木曜日午後6時からタムニングのコミュニティーセンターで行なわれています。興味のある方は、ぜひのぞいてみて下さい。

文責: 坂元 吉裕