今回は先日の日本人会商工部セミナーの講師を務めてくださった、
Taitano & Taitano LLP法律事務所の新進の若手弁護士タイタノ誠さん
にお話を伺いました。

タイタノ 誠さん

タイタノさんは確か日本人学校補習授業校に通われていたのですよね?
はい。小学校2年生から中学卒業まで週3回補習授業校に通っていました。
(当時は平日も現地校が終わってから補習授業校に行き、授業を受けていました。)
日本語(国語)の学習は大変ではありませんでしたか?
いいえ。家に帰れば日本語で話していましたし、日本のマンガやアニメから楽しみながら日本語を覚えたので大変だと感じたことはありません。
マンガには結構難しい漢字が載っていたりするので、補習授業校の漢字テストのときに結構読めたりできるのが楽しかったです。書くのは難しかったですが・・・
それと、毎年夏休みに日本の学校に体験入学をして日本に友人ができたこともよかったです。すぐに元に戻るのですが、グアムに帰ってくると英語が片言になっていました。
日本語に興味を持ったきっかけがマンガやアニメだったので、「日本語の学習は楽しい」と自分の中に刷り込まれています。今では日本の小説も新聞も読みますよ。
学習を始めるきっかけが「楽しい」と長続きするのだと思います。
これは「うちの子はマンガばかり読んで困る」とおっしゃるご父兄には耳の痛いお話ですね。ところで、高校は現地校に行かれたのでしたね。
はい。ファーザー・デュエナスを卒業しました。
高校卒業の時に、将来は弁護士になろうと決めていらっしゃいましたか?
いいえ、IT関係を専攻してシステムエンジニアになろうかと考えていました。
シアトルにある大学に入ったのですが、グアムと米本土の学習レベルの差を痛感させられ、
しかもレベルの高い生徒がたくさん集まっているので競争率がすごく高くて大変でした。
1,2年生のときに良い成績を取っておかないと、自分の希望する専攻学科に入ることができなくなるので本当に一生懸命勉強しました。
小中高と必死に勉強したという記憶がなかったですが、大学に入ってからは本当にがんばりましたよ。おかげで希望の専攻に入れましたけど。
周りの子たちもみんな勉強するので集中できましたし、何より教える先生の能力も高くて授業がとても面白かったです。
では、いつごろから弁護士になろうと考えられたのでしょうか?
私の専攻は経済学と会計学だったのですが、専攻のために受講したビジネス法の授業がとても面白くて「いいなー」って感じたんです。現役弁護士である父とも相談しましたが、ビジネス法の授業が一番大きなきっかけだったと思います。
確か弁護士さんになるには大学を卒業してから大学院に行かなければならないんですよね?
はい。大学を卒業してロー・スクール(法科大学院)に入学しました。
ロー・スクールにはアート専攻の人や心理学専攻だったりと出身学部も様々、あるいは事業主だったりと経歴も様々、本当にいろいろな人が集まっていて面白かったです。
もちろん授業も楽しかったです。
ロー・スクールを終えてグアムに帰り司法試験を受けて弁護士の資格を取りました。
弁護士さんにはそれぞれ専門分野があるとお聞きしていますが?
私の専門は主にビジネス関連で会社が直面する問題、例えば雇用問題などです。今後は積極的に個人の雇用問題等も取り扱っていければなと思っています。
米本土の大きいファームなどでは個々の専門性が高いのですが、ここグアムではそうも言っていられないようで、様々な相談が舞い込んできます。
私の所でも不動産関連や訴訟案件の仕事も入ってきます。バイリンガルだということで日系企業さんの仕事も多いです。
弁護士さんって書類を書くことがとっても多いんですよね?
はい。弁護士は訴訟など書類を作成することが多いです。言葉を正確に伝えないと大変なことになるので、翻訳するときには細心の注意を払わなければいけません。どう言いかえればいいか、言葉にこだわります。
前に訴訟の通訳と翻訳を専門的にされている方と仕事を一緒にしたことがあったんですけれど、本当に勉強になりました。
日本語は本当に多彩な表現があるすばらしい言葉だと思うんです。
大学、大学院時代にシアトルにいたとき、カタカナ語のたくさん混ざった日本語を話している人が嫌でした。
いい加減な言葉の使い方をしているのも嫌ですね。この考え方と、仕事柄、翻訳や通訳内容には本当にこだわりを持っています。
まだ日本語の学習を始めていない子達に、日本語の読み書きができると仕事に役立つし、マンガでもアニメでも取っ掛かりは何でもいいから楽しく日本語の勉強を始めてほしいです。

Taitano & Taitano LLP
200 Chichirica Street
Tamuning, Guam 96913-4217

「趣味は?」とお聞きしたら「仕事ですね。」と答えてださいました。

「言葉」を大切にする真摯な姿勢が伝わってくる爽やかな青年でした。  

インタビュー:天畠 実沙子