運動会、それは小学校時代の大きなイベントの1つではないでしょうか。特に全ての行事が小学校生活最後となる6年生にとっては尚更です。 はるか昔の事ですが、私の小学校最後の運動会は、ある事件をきっかけに苦い思い出として全て上書きされてしまいました。
 私は産まれながらにして体が小さく、2つ年下の妹との体型はほぼ同じだった為、2つ年上の姉からのおさがりの服を妹に譲り渡すことはありませんでした。お勉強の方も大して出来る方ではなかった私は、クラス担任以外の先生から「ああ、〜〜さんの妹さんですね?」という具合に知名度の高い優等生の姉の妹としてしか認識されてなかったのです。そんな特技もなく目立たない私が、小6の運動会で、場内係に任命されたのでした。

 小学校最後の運動会で自分の存在を少しでもアピールしたいという気持ちからか、クラス担任が係を決める際の声掛けに、皆一斉に手を上げたのです。自分の競技の練習さえ上手くこなせない私は、他人のお世話をする気なぞ更々なかったのですが、皆の勢いに圧倒され、手を上げてしまいました。幸いにも出番1回のみの場内係 (小3のかけっこのアシスト)にアサインされたので本来であれば楽勝のはずでした。しかし、これが悲劇の始まりでした。

 運動会当日は、開会式の後、疲れの早い低学年の種目から先にスケジュールされていたと記憶しています。つまりあの事件は、主役ともいえる私たち6年生の競技の前に起こってしまったのです。 小1、小2のかけっこ終了後、私はクラスメートと一緒に小3がスタンバイしているトラックのスタート地点に向かいました。興奮気味の小3に駆け寄り、落ち着かせ、順番通り並ぶようアシストをしていたその時です。 「何をしているの、早く並びなさい!」 新任なのか初めて会う先生が、焦り気味で私に向かって叫んでいます。そうです、その先生は小6の私を小3と勘違いしたのです。私はショックと恥ずかしさで何も言い返せず、放心状態のままその先生をじっと見つめていました。側にいた小3もなんの事か分からず、きょとんとした顔でその先生と私を交互に見ています。少しして、その先生は私の左腕の場内係と記された腕章をみて自身の勘違いに気がついたようでした。「あっ、ごめんなさい。ご苦労様ね。」と苦笑を浮かべながら謝罪しましたが、衝撃を受けた私はなかなか立ち直る事が出来ません。実際には数分、いや数秒の出来事だったかもしれませんが、私の周りが全てフリーズして見え、私が悪いわけでもないのに “えっ、何?どうしよう、いやだ、どうすれば良いの?”と、脳内で“WHY&WHAT”が何度も往復し、どうにか”修正ボタン“を押せないものかと焦りが止まりません。幸いにも唯一その悪夢を目撃したクラスメートはとても思いやりのある子で私の気持ちを察して、聞こえてないふりをしてくれました。

 今思えばほんの笑い話ですが、当時の私は深く傷つき、運動会自体がトラウマになってしまいました。実際に悪夢の後に参加したはずの種目については一切覚えていません。

<投稿者IS>