10月にはいりグアムもなんとなく朝晩は過ごしやすくなりました。日本は秋ですね。秋といえば、食欲の秋、紅葉の秋と日本では楽しみが増える時期でもあります。グアムでもできる楽しみの一つの“読書”ということで、今回は会員の方に本の紹介をしていただきました。

「小説 イタリア・ルネサンス1—ヴェネツィア」 塩野七生 著

年齢を重ねる連れ、ノンフィクションや歴史関連の本を読む機会が増えました。最近では塩野七生さんのイタリア・ルネサンスの三点セットの中のヴァチカン帝国を読みました。学生時代に勉強した世界史を改めて紐解く感じです。今のヴェネツィアが海運国として君臨していたころのスペインやトルコとの欧州制覇をめぐりオスマン帝国や地中海世界の目まぐるしい戦いが外交官マルコを主人公にミステリー調に表現され、ぐいぐい気軽に読めます。ヘンリー8世の時代ですので色々な映画や小説などで見聞きした歴史的人物の名前が出てきて、あ、そうだったのか、と丸覚えしていた歴史が新たな目線でじっくりと理解できます。それとイタリア在住のお洒落な塩野さんの視線で当時のイタリア貴族の洋服や邸宅、そしてお庭や美術品の説明も随時あり、こちらも楽しめます。塩野さんの小説は他にもルネサンスの女性たちを描いた短編 “愛の年代記”も面白いです。いつの日かロンドンやパリの美術館で訪れた時に一層理解が深まるのではないかと夢見てコロナの毎日を乗り切っています。

(投稿者:Miyuki)

「交代寄合伊奈衆異聞」 佐伯泰英 著

時は江戸安政2年。江戸の町を大地震が襲う。大地震の夜に、名家の三男から養子に入った座光寺家の当主、左京為清は吉原で遊び惚けていた。更に大地震のドサクサに紛れて、馴染みの女郎と妓楼から大金をくすねて姿を消してしまう。旗本座光寺家の国許である信州伊奈にも大地震の知らせがあり、21歳の籐之助は信州伊奈から江戸屋敷へと走らされる。信濃一傳流免許皆伝の若武者の籐之助は江戸までの60余里を2昼夜で走り切る。出来損ない当主の放蕩ぶりに困り果てた座光寺家は、藤之助に左京為清の殺害を命じたのであった。主殺しの役目を果たした藤之助は、まさかの座光寺家の当主になる事を命じられ、将軍へのお目見えも無事に終える。先代当主の馴染みの女郎「おらん」を追い続ける藤之助は、時の老中首座・堀田正睦の用人と知り合い、のちに特命を与えられる。若輩ながら長崎の伝習所の剣術方教授となり、唯一の海外貿易を許されている長崎で世界への目を開く事になる。そして長崎では、運命のヒロインともいえる地元豪商の一人娘「レイナ」に惚れられ、当時では珍しい最新のピストルやライフルなどを習得していくのであった。

レイナと共に隠れキリシタンの危機を救うや、海賊との凄まじい海戦を繰り広げるや、上海の暗黒街での大立ち回る等、紹介しきれないエピソードがてんこ盛り!スピーディでワクワクさせる物語の展開は読み手を飽きさせず、つい夜更かしをしてしまいます。全くのフィクションでありながら、時代背景などは史実に基づき歴史の勉強にもなります。コロナ禍で鬱々とした気分を吹き飛ばしてくれる事、請け合いです。江戸末期、外国列強が開国を迫る混沌とした時代の痛快冒険活劇23巻です。是非ご一読を。

(投稿者:H.S.)